※このサイトは 「白沢歯科クリニック」をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。
歯科医師として働くなかで、退職を考える場面は誰にでもあるものです。新しい環境に挑戦したくなったり、今の働き方に限界を感じたりすることもあるでしょう。
しかし、歯科医師は医院内でも責任の大きい立場にあるため、「円満に退職できるだろうか」「引き止められないか」といった不安を感じたり、自分の退職が患者さんやスタッフに与える影響を考えて、なかなか言い出せずに悩んでしまうケースも少なくありません。
ですが、事前に準備を整えておけば、トラブルなく退職することは十分に可能です。この記事では、歯科医師が円満に退職するために押さえておきたいポイントをわかりやすくご紹介します。
「もう辞めたい」と思っても、その気持ちのまま勢いで行動してしまうのは避けたほうがよいでしょう。
歯科医師は医院の診療体制や経営に大きく関わる立場であり、自分の退職が与える影響は少なくありません。だからこそ、しっかりと準備をしてから行動することが、円満退職への第一歩になります。
はじめに確認しておきたいのが、勤務契約書や就業規則です。
多くの歯科医院では、「退職希望日の◯日前までに申し出ること」といったルールが定められており、なかには「3ヶ月前」「6ヶ月前」など、一般的な企業よりも長めに設定されているケースも見られます。
法律(民法)上では、正社員であれば退職の意思は2週間前までに伝えればよいとされていますが、歯科医師の場合はそう簡単にはいきません。患者さんの治療の引き継ぎや、後任の選定、予約の再調整など、対応すべきことが多く、2週間ではとても足りないのが現実です。
退職をスムーズに進め、スタッフや患者さんとの信頼関係を保つためにも、なるべく余裕を持って伝えるようにしましょう。
就業規則や契約内容を確認したあとは、いよいよ退職の意思を伝える段階に入ります。
このときに意識したいのが「伝える順番」「タイミング」「伝え方」の3つです。どれかひとつでも間違えると、院内の人間関係にしこりを残してしまう可能性があります。
退職の話は、必ず最初に院長へ直接伝えるのが基本です。
つい仲の良いスタッフや同僚に先に話したくなるかもしれませんが、それは控えておきましょう。先に周囲へ話すことで噂が広まり、院長の耳に間接的に入ってしまうと、「どうして自分に最初に言わなかったのか」と不信感を持たれる恐れがあるからです。信頼関係にヒビが入ってしまうと、その後の話し合いにも影響しかねません。
退職の相談は、まずは直属の上司である院長に。その後、了承を得たうえで、スタッフや関係者に段階的に伝えていくのが理想的な流れです。
退職の話を切り出すときは、相手の忙しさを見ながら、落ち着いて話せるタイミングを選ぶことが大切です。朝の準備中や診療の合間など、バタバタしている時間帯では、ゆっくり話を聞いてもらえないこともあります。
「お忙しいところ恐縮ですが、本日の診療後に少しお時間をいただけますか?」「ご相談したいことがあるのですが、明日どこかでお時間をいただけますか?」といったように、まずは落ち着いて話せる時間をつくってもらえるようお願いしましょう。
また、可能であれば、医院の繁忙期を避けるのが理想です。たとえば、年度末や長期休暇前など予約が立て込みやすい時期ではなく、比較的ゆとりのある時期を選ぶことで、院長にも冷静に対応してもらいやすくなります。
歯科医師の場合は、自分が担当している患者さんの治療スケジュールにも配慮が必要です。治療がひと区切りつくタイミングに合わせて退職の相談を始めることで、後任への引き継ぎもスムーズに進められるでしょう。
退職理由を尋ねられた際、職場への不満をそのまま口にするのは避けたほうが賢明です。
たとえ不満がきっかけだったとしても、「新しい分野に挑戦したい」「勤務環境を変えて、より経験を積みたい」といった前向きな理由に置き換えることで、相手にも伝わりやすくなります。
また、必ず感謝の気持ちを添えることも大切です。たとえば、「先生には多くのことを学ばせていただき、本当に感謝しております。そのうえで恐縮ですが、退職を考えております」といったように、これまでの経験への感謝をきちんと伝えた上で、将来に向けた前向きな決断であることを説明しましょう。
感情的なやりとりを避け、丁寧に気持ちを伝えることで、相手の受け止め方も大きく変わってきます。円満な関係のまま次のステップに進むためにも、言葉選びにはしっかりと気を配りたいところです。
歯科医師の退職は、自分と医院との間だけで完結するものではありません。特に担当制で診療を行っている場合、患者さんへの影響が大きくなるため、引き継ぎは「患者ファースト」の視点で丁寧に進めることが大切です。
医院にとっても患者さんにとっても、「辞めたあと」に困らないように配慮することが、結果的に円満退職につながります。
退職日が決まったら、できるだけ早い段階で引き継ぎの準備を始めましょう。まずは、後任の歯科医師に必要な情報を確実に伝えることが大切です。
歯科医師の引き継ぎでは、カルテや治療計画、使用していた器具、担当患者のフォローなど、さまざまな情報を共有する必要があります。そのため、口頭だけでなく、簡単なメモや引き継ぎリストなど、文書でも残しておくのがベストです。
診療情報を正確に引き継ぐことで、後任の歯科医師や衛生士が戸惑うことなく、患者さんも安心して治療を継続できます。
忘れてはならないのが、患者さんへの配慮です。可能であれば診療の際に、「○月で退職することになりました。これまで担当させていただき、ありがとうございました」「今後は〇〇先生に引き継がせていただきますので、引き続きよろしくお願いいたします」といった簡単な挨拶と、後任の先生の紹介をしておくと良いでしょう。
このひとことがあるだけで、患者さんも安心して通院を続けることができます。
退職を伝えたあとも、患者さんにとっては変わらず「自分の主治医」です。「もう退職が決まっているから」と気を緩めることなく、いつも通り丁寧な診療を心がけましょう。
もし治療が退職日までに完了しない場合は、後任の先生にスムーズに引き継げるよう、治療計画を整理しておくことが大切です。
意外と見落とされがちなのが、自分だけが使用していた器具や材料の存在です。同僚や衛生士が普段使っていないため、退職後に放置されたり、処分されてしまったりするケースも少なくありません。
「この器具はこういう場面で使っていました」「洗浄や保管はこのように行っていました」といった、ちょっとした引き継ぎをしておくだけでも、現場の混乱を防ぐことができます。